デレッキ・十能(ジュウノウ)・石炭箱
2011年12月14日水曜日
四四人
石炭生活の小道具3点セットである。学校教室のストーブを思い起こしてみる。まず石炭当番が石炭小屋からバケツで石炭を運びストーブの傍にある石炭箱に入れる。その石炭をストーブに入れたり補充したりするのが極小なスコップ・十能(ジュウノウ)である。燃えている石炭を崩して空気接触面を作ったり灰を落としたり、描きだしたりするのがデレッキである。
ストーブの横壁が真っ赤に焼けてくる頃に教室内は最も暖かになったが、その一方ストーブの周りには火傷を防ぐための金網が置かれていて、我々は雪遊びで濡れた手袋などをそこで乾かしたものだ。勿論学校のストーブは大きかったが、面白いのはその上に金網籠が載せられていたことである。
朝登校すると、皆、鞄から持参した弁当箱を出して籠の中に積み入れるのである。そうしてお昼頃には、温まったご飯を食べられるのである。今では電子レンジでのチーンである。難点はおかずが臭うことであった。特に漬物の沢庵が臭うと我々はひそかに犯人探しと、その臭いに閉口しながら、授業を受ける羽目になった。